大震災から3年、クラウドソーシングで災害リスクを抑える4つの方法

日本は災害大国

クラウドでリスクを分散 2011年3月11日の東日本大震災の日から、今日でちょうど3年。震災の爪あとは大きく、復興には残念ながらまだ時間がかかりそうだ。 また2014年2月、東京都知事選挙においても災害に備える「防災」が争点となった。同月の首都圏での未曾有の大雪も記憶に新しい。こういった災害は人々の生活やビジネスを麻痺させてしまう。 ビジネスへの影響を例に挙げると。交通機関の遮断による出社困難、機器の破損による作業ストップなどがある。 さらに、東大名誉教授の村井俊治氏が南海トラフ地震を警告、北大地震火山研究観測センター長の島村英紀氏が首都直下型地震を警告しているように、次なる大震災への危機感も高まっている。日本は「災害大国」と言われる程、災害が絶えない国だ。

減災のためのクラウドソーシング

だからこそ、どの国よりも災害への備えを強化しておかなければならない。 減災という言葉はあまり一般的ではないかもしれないが、防災と合わせて議論すべきもの認知され始めている。 もちろん様々な対策が準備されているが、災害への備えの一つとして注目されているのが、クラウドソーシングだ。 クラウドソーシングには災害に対して2つの強みがある。一つが「様々な地域にリソースを分散できること」もう一つは「様々な地域の人々のアイディアを活かせること」である。

様々な地域にリソースを分散

クラウドソーシングとは、クラウド(Crowd:群衆)に対して仕事をソーシング(Sourcing:委託)するという意味の単語で、企業が自社外のインターネットの向こう側にいる無数の人のうちの誰かの力を借りることを示す言葉だ。 国内外に多くのクラウドソーシングサービスが立ち上がっているが、中でも世界最大のクラウドソーシングサービスoDeskが象徴的だ。oDeskのサービス名の由来は「ゼロデスク」つまり「オフィスが無くてもインターネットの向こう側の人々に仕事を頼むことによって企業活動ができる」だ。 災害に備え、今のうちからクラウドソーシングに慣れ親しんでおき、業務が続けられるようにしておく必要がある。東京にしかオフィスが置かれていない企業があり、もし東京で大災害が起きてそのオフィスが使えなくなったら、その時点で業務がストップしてしまう。 クラウドソーシングを普段から利用して、リソースを分散し、リスクを最小限に抑えておくことが求められる。

様々な地域の人々のアイディアを活用

クラウドソーシングで繋がるワーカーは、日本全国に散らばっているため、各地の人々が持つ多様なアイディアが災害時のみならず、企業活動をサポートしてくれる。 また、消費者でもある彼らのアイディアをもらうことは、凝り固まった社員の頭だけで考えるより、顧客満足度の高いものができあがる。 実際に、東日本大震災の復興のためにクラウドソーシングが使われていたのをご存知だろうか。クラウドソーシングサービスを提供するクラウドワークスはヤフーや大黒屋コンサルティングと共同で、クラウドソーシングを使った参加型商品開発企画Product Design Lab(プロダクト・デザイン・ラボ)をリリースし、オリジナルバッグや財布のデザイン、ハンドクリームのパッケージデザインなどを募集した。 復興に向けて企業活動を再開しても、中々本来の力を発揮するのは難しい。しかし、クラウドソーシングを活用することで災害前と比べて同等もしくはそれ以上の成果を出すことができるのだ。

災害直後のクラウドソーシング

クラウドソーシングはただ単に災害後の企業活動をサポートするだけでなく、災害直後の混乱の中で、人々の生活にダイレクトに貢献することができる。その力は東日本大震災時と、2014年2月の大雪の際に発揮された。

みんなの力で安否確認

Google Japanは東日本大震災が起きた僅か2時間後に、安否確認サイトPerson Finder(参考)をオープンした。Person Finderは、「こういう人を探しています」という情報と、「ここでこういう人が無事です」という情報を集めることで効果を発揮するが、前者の情報が沢山集まる一方で後者の情報は集まらなかった。 そこで目をつけたのは避難所で作成された名簿だ。Googleはこれをを携帯電話で撮影し、Googleの写真管理サービスPicasaにアップするよう促した。あっという間に写真は集まったが、その後に画像が集まったはいいが探せないという問題がでてきた。 それを解決したのがクラウド(Crowd:群衆)だ。集まった画像を見た大勢のインターネットの向こう側の人々が画像に書かれた名前をテキストとして書き起こしてくれたのだ。これはGoogleが頼んだわけではなく、あくまでインターネット上の人々が自ら始めたことだが、極めてクラウドソーシングの考えに近い。何万人分もの安否確認情報をGoogle社員だけではとても終わらなかったはずだ。結果的に5000人もの人の協力で14万件の安否情報が登録された。

歴史的な大雪にも対処

2014年2月の第1週、第2週、第3週に降った大雪は記憶に新しいだろう。第2週に降った大雪のせいで山梨県は交通が寸断され、陸の孤島と化していた。そんなときに2014年2月広域豪雪災害情報というサイトが立ち上がった。 要救助者情報や、道路交通障害、避難所、お風呂といった無くてはならない情報が地図上に表示されるサイトだ。様々な人や機関から情報を集め、地図上にわかり易く表示させることで、災害下での混乱を少しでも軽減させようと有志で立ち上がったものだ。市民一人一人がプレイヤーとなり一つのものを作り上げていくイメージがクラウドソーシングに非常に近い。「群衆の知」を最大限に利用した例だ。 Twitterやツイキャスを使った、#市民災害対策本部というものが生まれ、インターネットを最大限に活かして災害へと立ち向かった例は今後の防災・減災のロールモデルとなるだろう。

災害に備えてクラウドソーシングを

クラウドソーシングは普段から活用するにしても利点が多い。平常時に加え、災害時にも活躍するクラウドソーシングは今後のビジネスをリードしていくもの、人々の生活を良くするものとして重要度がさらに増していくだろう。クラウドソーシング的な、「群衆の知」や「群衆の力」のイメージを頭の片隅に置いておくと、今後なにかの役に立つかもしれない。 (参考サイト)

この記事を書いたのは

小阪 勇汰

中央大学商学部経営学科4年。英会話サークルESSに所属。2年次にシリコンバレー、SXSWを訪問。インターン歴はギブリー、トライフォート、クラウドワークス。愛読書は『7つの習慣』。日本人一人一人が夢を持てる社会を創りたいです。 http://crowdworks.jp