大企業に変革を!「社内クラウドソーシング」という新たな人材活用のかたち

今回の記事では、クラウドソーシングの名著「クラウドソーシングの衝撃 雇用流動化時代の働き方・雇い方革命」にて著者である比嘉氏が大企業のクラウドソーシングを活用について独自のアプローチを提案していたのでご紹介していきます。

日本の大企業の課題

「工業化社会においては社内資源を多く持っていることが企業としての優位性に繋がっていたが、知識社会に入ると「財」であった自社資源の多くが余剰資源となってしまった。」と著者は述べています。 クラウドソーシングによって、人材は可視化され外部から必要な人材を必要な時に外部から確保できる時代になった今、社内資源をどれだけ持っているかということは、企業の競争優位性に結びつかなくなってきています。 しかし、大企業はすでに自社で多くの資源を抱えているからという理由でクラウドソーシングというビジネスの変化に迅速に対応できていません。海外の多くの企業がクラウドソーシングを活用してビジネスに活かしているにも関わらず、日本の大企業の多くがサンクコストの罠にはまってしまい、人材調達のイノベーションである「クラウドソーシング」という手法に完全に乗り遅れてしまっています。
海外企業のクラウドソーシング活用事例はこちら⇒http://crowdlab.jp/?p=91

「社内クラウドソーシング」とは?

そこで著者は、日本の大企業でもクラウドソーシングを活用する方法として、社内に限定的なクラウドソーシング市場を形成することを提案しています。提案の詳細は下記に本の一部を引用する形でご紹介させていただきます。
一般的に言って、大企業の従業員は、国内の複数の地域に分散している。また、東京等の一都市に数千人の従業員がいる場合でも、全員がお互いのことを知っているわけでもなく、必要に応じて人員の融通が自由に行えるわけでもない。

そのような状況から、仮に同じ企業内に必要な人材がいたとしても、その人材を見つけることは困難であり、見つけても使うことができないというのが現実であろう。

そこで、社内の全従業員をクラウドと見立てた市場を社内限定で作り、社内において人材の流通をオープンに行えるようにして効率化を図るというものである。

引用文献:比嘉邦彦,井川甲作 (著)「クラウドソーシングの衝撃 雇用流動化時代の働き方・雇い方革命」4-3-2
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大企業の「社内クラウドソーシング」活用事例

実際に海外では、社内に限定的なクラウドソーシング市場を形成し成功している企業があります。アメリカに本社を置き、世界で5万5000人超える従業員数を抱える情報サービス大手「Thomson Reuters 」という企業です。Thomson Reutersは1万7000人いる技術者の社員に対して、プログラムの開発といった課題をコンペ形式で開催し、従業員のリソース活用を最大化させています。 大企業のほとんどが縦割りで部門が分断されてしまっているため、部門同士で情報が行き交っていない可能性が高いです。Thomson Reutersのような社内クラウドソーシングは日本の大企業でもぜひ取り入れてみて欲しい手法ですね。 参考記事⇒眠れる人材を発掘 トムソン・ロイター “社内クラウドソーシング”の群を抜く成果

まとめ

クラウドソーシングは企業と個人間の取引になるので情報漏えいや質の担保など大企業が使う上で様々なリスクがまだ残っていることは事実としてあります。しかし、海外の企業を見れば分かる通り、グローバルで見ればクラウドソーシングの波は確実に来ています。社内で限定的にクラウドソーシング市場を作ることができれば、上記に挙げたリスクもそれほど恐れることなく人材活用のイノベーションを起こせるのではないでしょうか?

この記事を書いたのは

柿崎 俊輔

1992年12月23日、山形県生まれ。青山学院大学経営学部3年生、マーケティング・経営戦略などを主に研究している。過去に3社でのインターンを経験し現在はクラウドワークスのインターンとして働いている。 http://crowdworks.jp