クラウドソーシングを使ってオープンイノベーションを起こした中小企業の成功事例とは?

クラウドソーシング ※画像出典:pakutaso

これまでクラウドソーシングラボでは、クラウドソーシングにまつわる幅広い事例をご紹介して参りました。一方で、大手企業の利用例が多く、中小企業とクラウドソーシングの関連性についてはイメージがあまりないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。実際には、クラウドソーシングは大手企業が使う手法にとどまらず、日本の中小企業においても広く活用され始めています。

どういった事例があるのか、商品開発のアイディアをクラウドソーシングで募った中小企業の事例をご紹介します。

行政が主導!中小企業対象のクラウドソーシングを使った商品開発事業が始動!

神奈川県では行政が率先し、中小企業によるクラウドソーシングの活用を促す「クラウドソーシング活用型新商品開発事業」を実施しています。豊富な農林水産資源とユニークな技術を持った企業に恵まれている神奈川県の魅力を、 ユーザーのアイディアによって商品化し、県外に発信していこうという背景から発足されたプロジェクトです。

具体的には以下のような流れで商品開発が進められました。

    1、クラウドソーシングで商品開発をしたいという神奈川県の企業を募る
    2、企業が用意したテーマをオンライン上に公開し、アイディアを募る
    3、集まったアイディアを基に商品開発を進める

※画像出典:神奈川県クラウドソーシング活用型新商品開発支援事業

ダンボール製造企業がオープンイノベーションにより新たな商品を開発!

自社の強みや特徴を生かした商品開発がしたいが、どうすればいいのか分からない。 ユーザーに親しみを持ってもらえるようなネーミングを商品につけたいが、アイディアが浮かばない。 時間もお金もかかるし、そこに割く人材も確保できていない。。 とお悩みの経営者の方もいらっしゃるのではないでしょうか? 同じような想いから、 神奈川県で段ボールの製造を行っている株式会社ミヤザワでは クラウドソーシングを使ってアイディアを募り、商品を開発しました。

実際にオンライン上では下記のようなやりとりが行われました。

******

株式会社ミヤザワ: 「開けた後も活用できる段ボール製のマタニティボックスってどんなのがあれば便利?」

一般ユーザーMさん: 「万が一の災害時に、手に入りにくい赤ちゃん用の防災用品はどうでしょう?」

******

株式会社ミヤザワ: 「どんなネーミングだと大事な人に贈りたくなりますか?」

一般ユーザーTさん: 「赤ちゃんをまもって、くるむ防災具という意味を込めて、『まもるくん』と『くるみちゃん』なんていかがでしょうか?」

******

このようなユーザーとのコミュニケーションを経て、 「防災」という視点が共感を得ていることが分かり、単なるマタニティボックスではなく 赤ちゃん専用の緊急時対応商品「万がいちボックス『まもるくん』」が誕生しました。

株式会社ミヤザワ

※画像出典:株式会社ミヤザワ

避難時に必要な用品が詰め込まれているのはもちろん、 「緊急時の避難場所や病院リストが記載されていると便利」 という生活者からのアイディアから表面に緊急時に必要な情報が記載され、 段ボールの特性が生きる商品になりました。

お茶屋さんが日本初の商品をオープンイノベ-ションによって開発!

株式会社茶加藤

※画像出典:株式会社茶加藤

時代の変化に伴って、企業も商品の打ち出し方や、そもそもの使い方を提案していかなければなりません。ゆっくりと時間をかけてお茶を飲み、お茶を楽しむという文化が薄れつつある現状に 危機感を抱いた神奈川県にある株式会社茶加藤は、クラウドソーシングを使って「どんなきっかけがあれば、家で日本茶を飲むようになる?」というお題を設定し、アイディアを募りました。

数百を超えるアイディアが集まり、ユーザーならではの日本茶に対する率直な意見が寄せられました。その中から「日本茶をコーヒーのように使い切りドリップで飲めると嬉しい」というユーザーの声から日本初の「きゅうすドリップ」の商品化に向けた開発が始まっています。

クラウドソーシングで商品開発という新たな手法の確立化へ。

クラウドソーシングを活用することで、社内のリソースだけでは生み出せなかったようなアイディアが生まれ、これまでにない商品を世に送り出すことが可能になります。

クラウドソーシング ※画像出典:pakutaso

今回は、行政主導の事例を紹介してきましたが、個々の企業がアイデアを募集することや、複数の企業の強みを掛けあわせた商品アイデアの募集をクラウドソーシングで実施することが選択肢の一つとなれば、中小企業の商品開発力は大きく伸びる可能性を秘めています。

今回ご紹介した、オープンイノベーションによる商品開発を実現した中小企業のように、まずは自社の強みや特徴、現在の商品の課題を洗い出してみてはいかがでしょうか?自社について整理ができれば、オープンイノベーション実現へ一歩前進と言えるでしょう。

この記事を書いたのは

Satomi Tanaka