クラウドソーシングを活用したNASAの宇宙開発プロジェクト3選

NASAは、読者の方もご存知の通り、アメリカにある世界最大の宇宙開発の連邦機関である。 NASAは宇宙開発のコストがかかりすぎていることが問題視され、スペースシャトル計画を終わらせた事で世間の注目を集めていた。そんな中、なんとNASAは世界中の人々の力(クラウド)を借りることでコストの問題を解決した。そんなクラウドソーシング先進機関であるNASAの導入事例を3つご紹介していきたい。ここでいうクラウドとは、Crowd(群衆)の意味で、クラウドコンピューティングのClowd(雲)とは異なる。 lgf01a201304130000

1. NASA×INNOCENTIVE

2009年、NASAはイノセンティブ社のプラットフォーム「INNOCENTIVE」上で “NASAイノベーション・パビリオン”を開設した。イノセンティブ社は、2001年以降クラウドソーシングサービスを提供し、研究開発を支援している米国企業。世界200カ国 30万人を超えるユーザーに、企業や組織が抱える様々な“チャレンジ”(=問題)を開示、革新的なアイデアや打開策を募り、採用された場合、報酬が支払われる。NASAは「INNOCENTIVE」を活用し、宇宙開発、科学的発見、航空宇宙研究において画期的なアイデアを得ることに成功している。

2. NASA×TopCoder

2010年、NASAは世界60万人以上のユーザーを誇るクラウドソーシングコミュニティ「TopCoder」と米・ハーバード大学との共同で “NASA トーナメントラボ(NTL)”を設立した。NASA研究者が直面する様々な“チャレンジ”への解決策をコンテスト方式で募り、勝者には賞金や賞品を授与。2013年には国際宇宙ステーションの改新を目的とした“ISSチャレンジシリーズ”で、高精度のアルゴリズムやコーディングが短期間で実現された。

3. クラウドソーシングを活用した火星プロジェクト-Crowdsourcing Ideas for Future Mars Mission-

このプロジェクトは、2012年に米政府からNASAへの大幅な予算削減により生まれた。このプロジェクトでは、世界中の科学者やエンジニアに向けて、安価に抑えた火星への上陸システム構築方法のアイデアをクラウドソーシングで公募した。その結果は、2012年の6月にワークショップにてアイデアが発表され、NASAにて実際に議論・検討がなされた。最も実用的な提案は早ければ本当に2018年に実施される予定である。

まとめ

以上の3事例は、NASAのクラウドソーシング導入事例の一部にすぎない。しかし、クラウドソーシングが可能性の宝庫であることは明らかだNASAはINNOCENTIVEやTopCoderなどを活用し、世界中の不特定多数の人々に、NASAが抱える“チャレンジ”を明確化し共有した。火星上陸や国際宇宙ステーションの改新に向けて、オープンイノベーションメソッドを推進したのである。、NASAの“チャレンジ”への打開策を、短期間且つ低コストで生み出したのはクラウドソーシングの特長のひとつとでもいうべき「多様性」であり、世界中の人々の発想の力である。21世紀におけるNASAの宇宙探索・開発の旅は、クラウド(群衆)と共に続いているのだ。

この記事を書いたのは

柿崎 俊輔

1992年12月23日、山形県生まれ。青山学院大学経営学部3年生、マーケティング・経営戦略などを主に研究している。過去に3社でのインターンを経験し現在はクラウドワークスのインターンとして働いている。 http://crowdworks.jp