障がい者が自立し満足できる働き方を実現し、活躍するには?

自立し満足できる働き方を実現

素材元:ぱくたそ


いざ仕事をするなら、中にはできる限り今の仕事は続けたいし、自分がより満足できる形で働きたいと思う人も多いのではないでしょうか。 しかし障がい者の方にとって働きやすい労働環境が整っていないのが現状であり、自分が満足できる形で仕事をして生活できている人は決して多くはないでしょう。 自立し、自分が満足できる働き方を実現して活躍するにはどのような方法があるのでしょうか?

障がい者の仕事の現状-なぜ転職・離職してしまうのか?-


20~60代の就業経験のある身体・知的・精神・発達障がい者752名を対象とした転職・離職理由に関するアンケート調査が、 障がい者総合研究所によって実施されました。その結果は下記の通りです。

前職の転職・退職理由について

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転職・離職に至る最も多い原因は、「障がいの発生・状態変化、体調不良」の27%、2番目に多いのが「職場の人間関係の悪化」の19%といった結果となっています。 体調が崩れている状態や、あるいは人間関係が良好ではない状況だと精神的にも不安定になりがちで、自分が満足いく形で働くことは簡単ではないと言えるでしょう。

自分に合った職場環境のもと、満足できる働き方を実現するには?

上記のアンケート調査から、障がい者の方が転職・離職に至ってしまう原因を見てきました。転職・離職の原因を解消し、目標となる働き方を実現し活躍するにはどのような方法が考えられるのでしょうか?

障がい者を雇用する組織の職場環境の改善努力

まずはこちらが挙げられるでしょう。障がい者総合研究所の調査によると、「転職・退職を決断する前にどのようなフォローや対応があれば、前職に残っていたと思いますか?」という質問に対して下記のように回答が得られました。

転職・退職を決断する前に求めるフォローや対応

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障がい者の方が職場で働き始めてからも体調面・人間関係面を中心に継続的にフォローをするなど、雇用側の努力によって障がい者の方の働き方は理想へと近づくと考えられます。

就労者自身から、職場に対する要望・悩みを発信すること

こちらについては、同じ職場の方に意見をすることが必要なため容易なことではありません。特に人間関係の相談は難しい場合も多いでしょう。しかし、実際に考えていることを伝えないと、職場の方は障がい者の方に対する適切な対応が100%は分からないでしょう。

下記のグラフは、「前職では、転職・退職を決断する前に上司または人事担当者へ相談しましたか?」という質問に対する回答ですが、 相談せずに職場を離れてしまうケースは過半数を超えています。就労者側が勇気を出して発言することで、自分が働きやすい職場環境が実現する可能性はあります。

転職・退職を決断する前に上司または人事担当者へ相談したか?

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思い切って組織に所属せずに働くという選択肢

1990年代末ごろから「在宅ワーク」という言葉が流行り始め、企業などの組織に所属せずに、自分のペースで場所や時間を選ばず自由に仕事に取り組むことができるワークスタイルとして話題になったのはご存知でしょう。ご自分の体調と相談しながら働き方を柔軟に変えたり、人間関係に振り回されずマイペースで働くことも可能です。

実際どのようなお仕事が流通しているのでしょうか?手作業のものだとシール貼りや詰め込み作業、雑貨作りなどが挙げられます。 また、日本においては2009年前後からクラウドソーシングという、インターネットを使った新しい働き方を実践する人が増えています。

クラウドソーシングを活用した新しい働き方とは?

クラウドソーシングとは、「不特定多数の群集(crowd)に仕事を委託する(sourcing)」という意味で、この2つの言葉を組み合わせた造語「crowd+sourcing=crowdsourcing(クラウドソーシング)」を指します。インターネット上で、発注者側であるクライアント(主に企業)と受注者側の不特定多数の作業者(ワーカー)をマッチングするサービスとなります。

特徴としては、下記が挙げられます。

  • ①自宅に限らず、インターネットが繋がる場所だといつでもどこでも仕事ができる
  • ②自分のスキルや経験、嗜好に合わせて仕事を選び、挑戦することができる

①については、仕事の受注から納品までが全てオンラインで完結し、仕事は納期に間に合えば基本自分のペースで取り組むことができます。

②については、簡単なお仕事として記事作成やデータ入力、比較的難易度が高いものはアプリやシステムの開発・画像作成など、多種多様な仕事が流通しています。また、自分がやったことがない仕事も、経験を積み、スキルを磨くことが可能です。

障がい者の方がクラウドソーシングを活用して、今後のキャリアを切り拓く

実際にADHD(注意欠陥多動性障害)とアスペルガー症候群を持つ方が、民間企業に就職しても仕事が続かず、偶然見つけたクラウドソーシングサイトを活用した結果、自立し仕事にやりがいを見出した事例があります。

このように、自分が働きやすい環境で、自分が望む働き方、仕事を自分でコーディネートするチャンスがあるのがクラウドソーシングのメリットといえます。 働き方を変えることで、生活スタイルも合わせて自分の希望の形に変えることも可能になるでしょう。

おいしい話ばかりではない!クラウドソーシング活用のデメリットとは?

しかし、実際にクラウドソーシングを活用して働くことには次のようなデメリットも存在します。

スキルを修得しなければ仕事を受けられない場合がある

ネットリテラシーや仕事をこなすスキルを習得する必要があります。 PCを活用する必要があるためPCスキルは必要ですし、仮にシステム構築などの仕事を引き受けるには、コーディングのスキルなどを身に付けなければ仕事ができないからです。

クラウドソーシング社会は実力社会

クラウドソーシングサービスの多くは、サイト上でワーカーの仕事の実績や評価が見える化されるような形式を採用しています。発注者はこの仕事の実績・評価を踏まえて仕事の依頼相手を決める場合があるので、ワーカーとして良い仕事を受注するには一定の実績や評価を獲得していく必要があります。

障がい者の方がオンラインで働くための体制が十分には整備されていない

現状の障害者雇用助成金など多くの制度は、オンラインでの仕事依頼を想定していないなど、障がい者の方がクラウドソーシングを活用した働き方を実践するための体制が、行政側でまだ十分に構築できていない現状があります。

最後に

クラウドソーシングが登場したことによって、障がい者の方が活躍できるチャンスは増えました。一方で、クラウドソーシングの活用にはデメリットもあり、 働いていく人のための労働体制の構築を、行政・民間組織が一体となって加速していく必要があります。 体制が整備されると、クラウドソーシングのようなオンラインでの働き方を障がい者の方がもっと選択しやすくなるでしょう。

この記事を書いたのは

Masataka Fukushima

1991年6月26日生まれ。兵庫県出身。