仕事のストレスを愚痴りたい・・・メンタルヘルスの予防効果が見込めるアプリが開発された?!クラウドソーシングを利用したその仕組みとは?

クラウドソーシング ※画像出典:ぱくたそ

毎日の仕事の中でたまったストレスを誰かに吐き出したい。自分の関係のない誰かに聞いてほしいと思ったことはありませんか?最近では「おっさんレンタル」というサービスが話題になるなど、インターネットを通じて人とのつながりが増えたことから、自分と何も関係のない人へ自分の気持ちを吐き出したいと思う人が増えてきている傾向にあります。しかし、リアルでわざわざおっさんを呼んで自分の悩み・愚痴を聞いてもらうという行動ができないという人も多いまずはず。結局誰にも打ち明けられないまま悩みや愚痴がどんどん溜まっていく・・・そんな想いをしている方も多いと思います。吐き出したいときに吐き出さないというのは、長期的に見ると「メンタルヘルス」という精神的な病の入り口になっているということをご存知でしょうか?この問題に目をつけた企業が、メンタルヘルス対策アプリを開発しました。このアプリ最大の特徴は、群衆(クラウド)が相談者の抱える悩みや問題を解決に導く点にあります。今回はそのアプリについてご紹介します!

モバイル・ソーシャルメディア・プラットフォーム「Koko」とは?

クラウドソーシング ※画像出典:Koko

Kokoとは毎日のストレスに対処できるコンシューマー向けのアプリです。現段階では英語版のものしかリリースされていませんが、心理学に関係するアプリの中でも世界的に注目度が高いアプリです。ユーザーは仕事・恋人・学校・家族などのカテゴリーの中から自分が不安に感じている事柄と一致するものを選び、それに関する最悪のケースを書き込みます。悩みを抱えている人に対して、まず最悪のケースを考えさせるという方法に違和感を感じた人もいるかもしれませんが、実はこれ「認知再評価」と呼ばれる負の感情を客観的にとらえるテクニックなんです。最悪のシナリオを思い浮かべることによって、自分の思い悩んでいることに対する捉え方を考え直すことができると言われています。

書き込まれた最悪のケースは1枚のカードのように表示され、他のユーザーはTinderのスワイプ機能のように、それらの書き込みに対してアドバイスするかしないかを選択することができるようになっています。アドバイスをするを選択すると、文章ベースでのやりとりが始まりますが、常に傷つけるような発言がないかどうかリアルタイムで監視されているため安心して悩みを打ち明けることができます。Kokoの開発者はこのアプリについて、「その場限りの対処法ではなく、自分を見つめなおす力をつけることで、その人の潜在的な回復力がアップさせることができる。」と話しています。

Koko以外にも、twitter などの掲示板型のアプリケーションや、オンラインでのカウンセリングなど、ネットを介して人々の悩みを解決する手段はたくさんありますが。掲示板型のようにコミュニケーションのルールや方法が決められていない場合、必ずしもユーザーが希望している返答があるとは限りません。またオンラインのカウンセリングは料金を払い、約1時間かけてじっくりとSkypeを通して話をするケースがほとんどです。Kokoは「気軽に悩みを打ち明けたい。」「打ち明けるからには、少しでも気持ちを楽にしたい。」というユーザーにはうってつけのアプリだと言えるでしょう。

クラウドソーシングを利用することの落とし穴

クラウドソーシング ※画像出典:ぱくたそ

しかし、Kokoにはメリットばかりではなく、デメリットや潜在的なリスクも存在します。それは、悩みを発信する側と、アドバイスを与える側のどちらにも「認知再評価」に対する一定の知識が必要だということです。例えば「社内には非常に優秀で頭のキレる社員が揃っており、その中で働く自分が惨めに思えて仕方がない。誰からも必要とされず、社内でもっとも役立たずだと思われているに違いない。」という抱えている悩み・愚痴に関する最悪のシナリオを投稿し、コメントを求めます。このアプリの狙いとしては、「認知再評価」への理解があるユーザーから「あなただけではなく、どんなに優秀に見える人でも彼らなりに劣等感を感じている。」「優秀な人と一緒にいることでストレッチできる機会が多くめぐってくる。」というコメントにより、「自分だけが辛い想いをしている」という特定の考え方に気づき、見直すきっかけを与えることが理想です。そうでなければ無意識のうちに固定化している自分の思考パターンまでたどり着くことはできず、最悪のシナリオだけが頭に残る結果になってしまいます。

クラウドソーシングという不特定多数の人間を相手にするサービスである以上、全ての利用者に基準以上の知識を得たうえで利用してもらうことは難しいと言えるでしょう。また、本当に抱えている悩みが少しでも解決の方向に向かうのかどうか、それはアドバイスを与えるユーザーにかかっているとも言えます。運営サイドによる管理がなされており、一定の質に期待できますが、サービスを使用しているユーザーによってサービスの質が左右されてしまいます。

まとめ

Kokoの開発者は、悩みを打ち明ける側ではなく、アドバイスを与える側としてアプリを利用することでストレスを乗り越える筋肉が鍛わると話しています。患者として治療を受けるだけではなく、同じような悩みを持つ人へ客観的にアドバイスを与える機会をこのようなアプリを通して得ることで、これまでにない治療効果や、予防効果が期待できるかもしれません。またクラウドソーシングを通して集められた意見や解決事例によって、メンタルヘルスに関する研究が一歩前に進む可能性もあるのではないでしょうか。

この記事を書いたのは

Satomi Tanaka