クラウドソーシングでGoogleより速く地図作り!海外行政事例

クラウドソーシングとは、インターネットを使って、世界のどこかの不特定多数人に対して仕事を依頼することができる新しい外注の仕組みである。これにより、一個人や一企業の人的資源では出来なかったような幅広い仕事ができるようになった。このクラウドソーシングの潮流に、インターネットに対して保守的であるイメージが強い「行政」も乗ってきている。 この記事ではイギリスとニューヨークの事例をご紹介しよう。

イギリスは次期海底地図の作成をクラウドソーシング

PP_gyosen500 実は、一般的なイギリス人だけでなく、船乗りでさえもイギリス海岸沖の海の深さはほとんど知らない。このことは、イギリスの漁師や船乗りにとって好ましいことではないはずだ。そのため、この問題を解決するために新しい技術を用いたプロジェクトが、欧州連合の資金援助を受けてスタートした。 そのプロジェクトとは「Teamsurv」。輸送船や漁船など、応募のあったすべての船に小さなデータ収集機を搭載し、それぞれの船からデータを集めるのだ。その船がどこを航行し、その地点の海底の深さはどのくらいなのかがわかり、そのデータが中央に集められるという仕組みだ。この方法で海底のデータを集めれば、一国家が役人に指示してやらせるよりも、ずっと少ない時間とコストでプロジェクトが完了する。このプロジェクトにより収集されるすべてのデータはその後オンラインで提供され、それを望むあらゆる人に共有される。 このプロジェクトがクラウドソーシングを利用して行われていることはかなり意義深いことだ。Googleはこれまで数年間にわたり、海底のデータを収集してきたが、全エリアの6%ほどしか地図化されていない。6%といえど、一企業でここまでやったのは確かにすごいが、地上をほぼ完成させたGoogleでさえも海底となると厳しかったようだ。 クラウドソーシングを活用して水深を測ることは実際の海底地図の作成するのにはほんのはじめの段階にすぎないが、今後に繋がっている大きな一歩となるだろう。

ニューヨーク市はハリケーン被害地図をクラウドソーシング

file0001370490069 ニューヨーク市はとあるクラウドソーシングを利用したプロジェクト、ハリケーン直後の日曜日にスタートさせた。それは、住民がGoogle地図上にハリケーンアイリーンによって被った被害をプロットすることができるというものだ。 このハリケーンの被害は予想されていた程ではなく大事にはならなかったが、150人以上の住民がニューヨーク市の悪天候クラウドマップへ倒木や停電床下浸水などの事象を報告するために利用した。 ただ、このサイトではこのマッピングは緊急通報用電話に取って代わるものではないと明言している。 サイトによると「ニューヨーク市のサイトの目的は、市当局とニューヨーク住民に近所の天気状況や天候に関連するサービスの乱れを知らせるものである。天気状況や天候に関連する公共サービスの乱れに懸念が生じない限り、市当局は行動を取りません。」としている。 実はこのサイトはニューヨーク住民にとってもの珍しいものではない。なぜなら2010年12月に20cm以上の積雪に覆われた大吹雪の後に開設されたサイトに非常に似ており、同様の機能を持っているからだ。 クラウドソーシングを利用した地図作りは市独自の努力で開始され、被害状況にのみ重点が置かれたものではなく、除雪作業にも利用された。近隣の住民は利用できる噴射式除雪機やショベルを持っている際、あるいは「除雪ボランティア」を主催する際にリストに登録することができた。また雪合戦やソリ滑りの坂なども地図に載せられた。 同市の悪天候マップはさらに大きなゴールを持っている。 「これは情報を共有するサイトである。」とそのホームページに明記されている。 行政がクラウドソーシングにより一般市民、特定の職業人やボランティアから人海戦術で集めた情報を広く一般に提供し、平時および非常時の地域の安全情報やライフラインの状況、子供の遊び場情報までもたらし、公共の福祉や安全に利用する試みが既に始まっている。

この記事を書いたのは

小阪 勇汰

中央大学商学部経営学科4年。英会話サークルESSに所属。2年次にシリコンバレー、SXSWを訪問。インターン歴はギブリー、トライフォート、クラウドワークス。愛読書は『7つの習慣』。日本人一人一人が夢を持てる社会を創りたいです。 http://crowdworks.jp